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塾の講師養成のポイントは「口調・視線・板書」 

 
 塾講師養成のポイントは「口調・視線・板書」の三点です。
 話し言葉の語尾は「ですね」ではなく「だね」「だぞ」。断定口調の方が、講師の言葉が子どもにストレートに伝わるからだという。声は「大きく明るく」が基本だ。
 視線も大切にする。黒板やテキストを見るのではなく、子どもの目をしっかり見るよう教え込む。講師の視線が来ないと、勉強以外のことを考え出す子どももいるためだ。
 研修室では、新人講師が黒板にひたすら板書を繰り返している。大きな文字で早く丁寧に書く訓練である。理科や算数・数学を担当する講師は、円や三角形、グラフなどの書き方の練習をする。
 ある学習塾の研修センターは、教室の後ろにあるマジックミラーの裏側に司令室がある。教室からは司令室は見えない。実際に授業をしながら、「声に元気がない」、「黒板の文字が小さすぎる」、「子どもと目線をあわせて」と、司令室から、トランシバーを持った研修担当者が、ひっきりなしに指令をだす。教壇に立つ講師は、イヤホンで指令を聞きながら、授業のテクニックを磨く仕組みになっている。研修センターの子どもの授業料は無料で、別枠で子どもを募集する。
 ベテラン講師を子ども役に見立てた「模擬授業」も繰り返す。声、口調、視線、板書などを総合的に評価して、本物の授業を担当できるかどうかを見極めるためだ。
 新人講師は、こうした基礎的な授業手法を身につけて初めて、本物の授業を担当できるようになる。ある有名受験塾では採用されても、研修を繰り返し、講師になるには平均1年はかかり、しかも講師になれるのは一割にも満たない。
(読売新聞教育取材班)

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