ギヤ・チェンジで定年まで楽しめた
磯野雅治は子どもといっしょにいるのが好きな教師でした。
しかし教師になって、6年目に担任として出会った生徒との喫煙をめぐるぶつかり合いで「教育とは身体をはってやるもんだ」と磯野は思い始めました。このことで磯野はメッセージ性の強い教師になったのでした。そしてその中で、生き方というものを教育実践の中心に置き、荒れと学級づくりの関係を考えるようになりました。
最近、磯野はベテラン教師から、子どもがわからなくなったと聞くことが増えたと述べています。その人たちの多くは、かつては学校の中心的な存在の教師でした。
しかし磯野はそういった思いにとらわれることがありませんでした。ギヤ・チェンジができたからではなかったかと磯野は思っています。
20歳代の「子どもといっしょにいるのが好き」な教師から、30歳代に入って「メッセージ性の強い」教師へギヤ・チェンジしました。
50歳代では、それまでの肩肘を張った教師から「陽だまりで遊ぶ子どもたちを温かく見守る」教師へとギヤ・チェンジでき、「押しつけがましさ」を排することができたからこそ、「荒れ」ている子どもとのつながりを築くことができたのだと磯野は思っています。
「いじめから子どもを解き放つ」学級づくりや「自尊感情を育てる」学級づくりを進めたのもこの時期でした。
このようにギヤ・チェンジしつつ、磯野は定年の日まで学級担任を楽しむことができました。
(磯野雅治:1947年生まれ 大阪府公立中学校に勤務し2008年定年退職。学級づくり交流センターるるる塾を主宰、関西大学非常勤講師(教育実践論))
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