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授業をするうえで大切なこと

 発問するとき集団思考するように発問します。授業は集団で行われます。集団が最も機能するのは、子どもたちが解釈の違いにより複数の立場に分化されるときです。その違いを対比したり類比して精査していく、その入り口となるのが発問なのです。
 例えば、「~はなぜですか?」という発問は答えが分かれます。私は答えをノートに書かせます。机間巡視して、子どもたちの反応を把握して、最初にだれを指名して、だれの意見をかけあわせたら子どもたちの思考が深まるか、だれと対立させたら授業が盛り上がるか、私は頭をフル回転させます。
 机間巡視中に一人の子につきっきりになっていると、他の子がおしゃべりを始めてしまいます。そういう授業は数ケ月後、必ず崩壊していきます。授業は常に全体の子どもを意識し、空白の時間をつくらないようにします。
 そのためには、一時間の授業には、子どもたちにまかせる小集団交流やゲーム性のある全体交流を815分程度、子どもたち一人ひとりが自分の学習と向き合う個人学習(一人読みや作文)510分程度をセッティングことが必要と考えています。
 授業で大切なのは、子どもたち一人ひとりにいかに思考させ、活動させるかということです。何か一つ教師が発問したら、必ず自分の意見を短くノートに書かせる(○×、一語、一文で書く等)など、ノート作業を課すことが大切です。自分の意見をもつからこそ、子どもはその後の授業の展開に集中していくのです。
 私は課題を与えて、意見を箇条書きにさせ、四人のグループで話し合いをさせます。他人の意見を聞いて「なるほどな」と思ってノートに書き加えるときは赤色で書くようにさせています。赤が多いと他人の意見から多くのことを学んでいることがわかります。
 何かを説明しようとする場合、子どもに理解させるには三つ以上の具体例を用意しておきます。「見える化」をはかります。実物(写真や映像等も)・実演、生活体験を想起させる、描写しながらあたかもその状況に自分がいるよう追体験させ想像させる必要があります。
 言葉の間も大切です。教師が「いいかい? 大事なことを言うよ!」と言って、にやりと笑ったまま、次の言葉を発しません。教室が緊張した空気になって沈黙に包まれます。授業名人の多くは「間の名人」です。
 授業で教師が学習指導案を進めていくのは指導のための攻め言葉です。しかし、授業では実際に子どもの反応を見たり聞いたりした後に、子どもを指導する受けの言葉があります。受けの言葉は、その場で臨機応変に教師が反応して話します。
 従って教師の人間性がストレートに出て、教師の力量があからさまに出ます。この受けの言葉は、授業の雰囲気をつくり、授業の機能を高めます。教師に研究とともに修養が必要だとされるのもここにあります。
(
堀 裕嗣:1966年北海道生まれ、札幌市立中学の国語科教師。92年、国語教育研究サークル「研究集団ことのは」を設立、道内の民間教育団体でつくる「教師力ブラッシュアップセミナー」の代表も務める)



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