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ささいな事が原因でもめる生徒の指導はどうすればよいか

 思春期の小さなもめ事の大半は、適度な人間関係をつくれないために起こる。だから、叱ってももめ事は減らない。
 それはもめ事を起こす両者に、コミュニケーション能力が欠如しているために、小さなもめ事のうちに両者があゆみ寄ることができなかったり、あるいは、ただ片方の子ががまんを強いられるだけになり、ある日耐えきれずに爆発して大きな事件となったりするからだ。
 放任家庭で育った場合、コミュニケーション能力が欠如していると暴力や言葉で威圧することになる。
 一言で「コミュニケーション能力」といっても、長年の生活の中で養われるものだから、一朝一夕に身につくものではない。ここからが担任の出番でもあり、もつれた糸を一本一本解きほぐすような面倒な作業をしなければならない。ささいなことでもめた例を示そう。
 A君とB君は小学校からの知り合いだ。たまたま座席が前後になった。ある日、A君は脱いだ体操服をB君の机の上に置いていた。戻ってきたB君がそれを床に投げ捨てた。A君は怒ってBにつかみかかった。
 A君の言い分は「人の服を床に投げ捨てたのが悪い」B君の言い分は「いつも勝手に物を置く」。
 「いつもそうなのか」どうかをA君に聞くと「そんなことはたまにあるだけだよ」と応える。すると、B君は「小学校のときから筆記用具や消しゴムを勝手に使って返さなかったりして、ふだんから腹が立っていた」ということだ。
 あきれてしまった。こんなに長い間、A君はB君の嫌がる素振りを気付かずにいたということだ。またB君は、A君がさほど乱暴者でもないのに、どうして言葉できちんと意志を伝えなかったのだろうか。
 もめ事は「叱る」よりもまず、もつれた糸を解きほぐし、言葉でやりとりする大切さを具体的に教えたいものである。
(吉田 順:1950年生まれ 元横浜市立小・中学校教師。生徒指導コンサルタント)


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