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自由な意見表明で一部のグループの支配をなくす

 子どもたちは、考えを強く持っていない場合、みんながとっている行動に合わせようとします。
 その方が非難されることがなく、楽だからです。かわいそうだと思っても、みんなを敵に回してまでかばうという自信は持てないのです。そんなことをして、自分がターゲットにされたらとてもたまりません。その結果、学級集団はその多数派の意向に支配されてしまいます。
 多数派といっても、付和雷同的な子どもが多くいるような場合は、一割くらいの強く自己主張するようなグループに仕切られてしまうことも少なくありません。
 学級崩壊になってしまった場合、担任は子どもたち全員が団結して自分に反抗しているように見えます。しかし、実際に担任に強く反抗しているのはほんの一、二割の子どもたちで、あとはそれらの子どもたちに付和雷同している場合がほとんどなのです。
 対応としては、子どもたちの考えが、自由に表明できる手段を確保することが、求められます。
 すでに、一部の子どもたちに仕切られているような学級では、無記名で自由に自分の意見を書いてもらい、それを教師が整理して学級通信などにまとめ、子どもたちに見せることなどが有効です。
 学級内にはいろいろな考えを持っている子どもたちがいること、一部の子どもたちの意見が決してみんなから支持された意見ではないことをわからせるのです。このようにして、学級内に子どもの意見を交流させることが大事です。
 常に学級内に、子どもたちの自由な意見の交流があれば、けっして一部のグループに仕切られることはないのです。
 そして、担任は、建設的な行動をする子どもを評価する場面をたびたび確保するということです。それを見ることによって、建設的な雰囲気が学級内に定着すれば、付和雷同的な子どもたちも建設的な行動をするようになり、学級は大きくまとまっていきます。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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