暴言を言ったりする、わがままな子どもをどう指導するか
最近、中学校では生徒による教師への暴言が話題になることがあります。荒れている中学校では想像を超えています。
たとえば、授業に出ないでうろうろしている生徒に「早く教室に行きなさい」とごく当たり前の注意をするとします。その時返ってくるのは「うるせぇ、テメェに関係ねぇだろ!」「このばばぁ、あっち行ってろ!」という言葉です。
「はげ・でぶ・ちび・ブス・じじぃ」など、ありとあらゆる罵詈雑言が飛び交います。一般社会でもこんなことを言われるのはまれだと思います。最近では小学校にもこういう傾向が広がっていると言われています。精神的にまいってしまい、退職する教師も少なくありません。
学校の権威がなくなり、家庭でのわがままをそのまま持ち込んでくる生徒たちに対して、どのような新しい秩序感覚を持たせることができるか。どのような規制力を教師が持つことができるか。
それは、少なくとも今までの「話せばわかる」という無策でも、体罰でもないことは確かなようです。当面のサバイバルをつぎに示してみます。
(1)規制のためのシステムをきちんとつくること
簡単に言えばルールづくりです。教師と子どもたちとの間だけでつくっても無駄です。大多数の親との共同作業が必要です。
親の世代は教師同様いくらか古い部分を持っています。その古さをしっかりと利用すべきです。子どもと親や教師が必ずぶつかるところを何点か入れることが必要です。世代間のぶつかり合いが、子どもが育つ大きな栄養になると私は思います。
(2)サインをしっかりと出す工夫をすること
ルールをつくっても、それを運用する力がなければ何にもなりません。どんな時に教師は怒るのか、怒る時にどのような表情になるのか、どんな物言いをするのか。
昔ならばこうしたことに関するサインがどういうものか、親や教師の間で了解されていたのですが、子どもにとってはサインが読み取りにくくなっているのです。なるべくわかりやすく、単純なサインを心がけるべきだと思います。
(3)終わり方をはっきりさせておくこと
トラブルが起きた時、どのように対応すれば解決するかを日常的に生徒にわかるような形で示しておくこと。
小さなトラブルを発見して、解決してみせることが大切です。
しかし、安易に繰り返すと、「こうすればいいんだ」と見透かされることになります。自分なりのバリエーションをつくり出すことが重要です。
また、指導するのは起きた問題だけに限り、あとになって持ち出さないようにすべきです。
(赤田佳亮:1953年生まれ、横浜市立中学校教師、組合執行委員)
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