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教師の仕事は子どもを肯定的に見て、自信をもたせてあげること

 私は、これまでの経験から、教師が一人ひとりの子どもとよい関係をつくるためには必要な前提条件があると思っています。
 まず、子どもたちの多様性を尊重することです。子どもたちは、まったく違った背景をもって学校にやって来ます。たとえば、家庭背景です。核家族の子ども、複数世代のいる家庭の子ども、親が一人しかいない子どもなどに出合うことでしょう。また、家族のもつ規範はさまざまでしょう。子どもたちは、社会的にも知的にも異なった刺激を受けています。それゆえ、彼らの興味と能力は異なったものになります。
 あなたの仕事は、一人ひとりの子どもを「見る」ことです。子どもが持っているユニークな面を探してください。「私は、あなたのことを見ているよ。よくやっているね。努力しているのを見ているよ。助けてあげるよ」というような、ちょっとした励ましや認めてあげる視線を送ってください。毎日一人ひとりの子どもに働きかけることが難しいかもしれませんが、一日置きであればできるでしょう。
 何も困っていないような子どもでも、教師に見てもらいたいのです。静かな子ども、いい子ども、恥ずかしがりやな子ども、消極的な子どものことはつい忘れがちです。
 一方、うるさくしたり自慢話をしている子どもは「見られる」ということを知っています。また、駄々をこねる子どもの場合も「見られたい」という欲求は満たされることになります。
 「一人ひとりを見る」ということは、いつもポジティブなことを探すということです。子どもが進歩したことを褒めます。具体的に褒めれば褒めるほど、子どもたちは望ましい行動を学んでいきます。
 教師としての一番の仕事は、子どもに自信をもたせてあげることです。自分たちには何かができるということ、何かを学べるということ、そして彼らのアイデアや意見には価値があるのだと、信じさせてあげることです。
(アストリ・ハウクランド・アンドレセン:1952年生まれ ノルウェーの小学校副校長)

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