手も頭も働かして面白いぞということを学校現場で
今の理科教育は学校の中で閉じている。学校の中で役立つだけ。本当は生活の中で役立つ勉強をしているはずなのにそのように生かされていない。生活に活用できる理科の指導をして欲しいという願いで月刊誌『RikaTan』を創刊しました。
学校で受けた理科の指導内容が家庭の夕食の会話にならなければならない。生活とリンクしたものにならなければならない。理科本来の勉強とはそのような姿だと思うし、欧米では暮らしに密着したものとして理科学習は扱われているのです。
学校での理科教育の失敗は、点数は高いが意欲が低い子供たちが育ってしまうことです。丸覚えしてテストで答えられればそれで終わり。テストが終わって出題範囲でなくなれば忘れてしまう。
私は理科教育の専門家です。今の日本の理科教育に疑問をいっぱいもっています。手を動かして頭も働かして面白いぞということを学校教育の現場でもやらなければいけない。それが今すごく弱い。
面白くなくても、教えればいい、ということになってしまっている。そうじゃなくて、知的な面白さをもったもの以外は教えるなということを言いたい。つまんないことは教えるなと。
子どもたちが「知ってよかった」と思うようなことを教えようという教育をどうやったら作れるのかを考えています。
教える内容も大切ですよね。知的に意味のあることを教えるということと、それと結びついた実験・観察が必要です。小学校・中学校と進むにしたがって実験とかなくなっていってしまっている。
しかも知的な面白さも、なにが面白いかというと受験問題が解けるから面白いとかね、それもある意味では面白いのですけど。
それだけではなくて、その科学的内容の"意味"が面白いというようにならないといけない。そうなるように、教育を変えていかなければいけないと考えています。
(学研科学創造研究所、家庭教師のトライのインタビュー)
(左巻健男:1949年栃木県生まれ、埼玉県公立中学校、東京大学附属高校教師、同志社女子大学教授等を経て法政大学教授。新理科教育フォーラム代表、『RikaTan』(星の環会)編集長)
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