教師は批判されることに不慣れである、どう対応すればよいか
保護者会で、親の側から担任にあれこれと、意見や注文が出ることがあります。
教師は、意見や注文を聞いたり、批判されることに不慣れなようです。子ども相手の毎日だから、ついつい“お山の大将”になってしまっているのかもしれません。
話をじっと聞いたり、きつい話だと思っても笑顔で対応することに、慣れないままに過ごしてきたからでしょうか。
相手の言い分に無理があるなら、わかりやすく説明したり、誤解しているならそれを解いたりする話し方もあるでしょう。反論の極意は、相手に言わせるだけ言わせ、それから筋立てした話し方で論破することと、聞いています。
こうしたことを書くと「教師は何を言われても我慢しなければならないのか」と、不満顔になる教師がいます。事柄によっては、反論し説得しなければなりません。
その際、言葉を選び、話し手に気を配ることは、知的職業人の教師として当然です。相手の言い分に間違いがあったとしたら
「それは違っています」などと、いきなり言ってどうなりますか。
「おっしゃる気持ちはわからぬではないのですが、そのことについては・・・・・」と、切り返すこともできるでしょう。
「なるほど、そうした見方もあるのですね」と、相手の言い分を一応は認めたようにして、反論していくことも可能でしょう。
つまり、表現力は子どもだけに育むのではなく、教師自らが育てることが課題なのでしょう。
教師と親を結ぶ糸は、一度切れてしまえば再び結ぶのは容易ではありません。だから、上手な聞き手になることが大事なのです。
(飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長を経て、千葉県浦安市立浦安小学校校長。千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)
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