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算数:「○○してみたい」によって授業が成立する

 授業は子どもたちの「やってみたい」「調べてみたい」「計算してみたい」などの「○○してみたい」によって成立すると思って私は授業に臨みます。
 あまり大げさに考えなくていいのです。隠されたら見てみたい。授業の始めの一歩は、そんな単純でたあいのない「○○してみたい」で始まります。子どもが活動するために必要なものです。
 そして、正木は「42÷3」の計算を例にとりあげて、つぎのように説明しています。
「たこ焼き42個を3人で同じ数ずつ分けます。1人分はいくつになるでしょう」
 42個のたこ焼きを3人で等分するというのは、なんとも味気ない問題です。これでは、子どもたちの「やってみたい」は期待できません。
 授業でこの問題を与えるときには、ちょっとした工夫が必要です。4年生にできるのは九九を1回だけ使ってできるわり算です。その子どもたちに、いきなり「42÷3」の問題を出すのは無謀です。拒否反応を起こしてしまいます。そこで、問題文を次のようにします。
「たこ焼きを食べに3人で行きました。□□個のたこ焼きを3人で同じ数ずつ分けました。1人分は何個になりますか」
 割られる数の部分を□□として、2けたの数にすることを示しています。そして、この文の横に、1,2,4の3枚の数字カードをマグネットで貼ります。
 「この□□に、このカードの中から2枚を選んで置きます。3人は同じ数ずつにわけるようにしたいのです。この数なら、みんな納得するという数を決めてごらん。全員起立」とみんな立たせ、そして「数が決まったら座りなさい」と指示します。
 「みんなが納得する」というところが大切です。とにかく学級全員が応える状況を作りたいのです。これは、授業の最初の場面で正木がいちばん大切にしていることです。
 最初の発問は、学級全体の子どもが安心して反応できるものにするというのが私の授業では鉄則です。もし、初めの一歩で動くことができなかったとしたら、その子どもにとって、その1時間は辛いものになってしまいます。それは絶対に避けたいのです。
 □□の数を決めて座ったら、その数を使ったわり算の形でノートに書かせます。「2つ書いていいですか?」という声が聞こえたら「今は、1つだけにしとけ」と冷たくします。
 この段階では、できるだけみんながいっしょに進みたいからです。見て回ります。1人に発表させます。「12÷3」と言います。「12を入れたと言うんだけど、どうかな。いっせえのドン」と、私の「ドン」という合図で子どもたちはさっと両手で大きな丸を作りました。正木の学級の約束です。「それでいいよ」という合図です。だめなときは腕を交差させます。分からないときは万歳の形です。
(正木孝昌:1939年生まれ、高知県公立小学校、筑波大学附属小学校教師を経て、前國學院大學栃木短期大学教授)

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