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達成感を手に入れるにはスリルが必要である

 私は教師になるまで、子どもの遊びをサポートする児童館に勤務していました。私は自分の特技を生かし「けん玉教室」を行っていました。
 ある日「今日は、きみたちの自由だよ。けん玉でいろんな遊び方をためしてごらん」と子どもたちに遊びを任せました。子どもたちは好き勝手に遊び始めました。
 しかし、ほんの10分もたつと「何か、やる気がしない」と、そう言うと、その子は隣の部屋で盛り上がっているドッジボールのようすをぼんやりと見つめ、またある子は「何か、今日はつまんない。ほかの遊びしない?」
 せっかく、きみたちの自由にしてあげたのに。そう思いながらも、その日のけん玉教室は早めに終わりました。
 その夜、私は考えました。「何がいけなかったんだろう?」「自由にしたからいけないのかな?」私は、ため息をついてしまいました。
 そして次の週、けん玉教室の時間になりました。先週と同じ結末にならないように、厳しい教室を展開しました。「さあ、今日は、1対1の試合をするよ。その後で、級の認定試験をするからね」すると「やったあ! 試合大好き、今日こそ勝ってやる!」と子どもたちから歓声があがりました。子どもたちは意気揚々と自主的に練習に取りかかりました。
 勝った子は喜び、負けた子は、悔しがりながらも「級の認定試験のほうでがんばる」と言い、自らの級を上げる練習に取り組みました。
 その夜、私はまた考えました。「前回と今回の違いは、いったいどこにあったんだろう?」、そうか。子どもたちは「達成感」を手に入れたんだ。達成感を手に入れるには、シビアな場をくぐりぬけるときにこそ味わうことのできる「スリル」が必要だったんだ。
 この日が、私にとって開眼の日となりました。この日にさとったことを、私はその後の仕事に日々生かしました。小学校の教室でも、同じように効果を発揮したのです。
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福嶋隆史:1972年横浜市生まれ、公立児童館学童保育職員、公立小学校教師、ふくしま国語塾を経て、横浜国語研究所 代表取締役)


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