子どもがわからないのは、わかろうとしていないことにある
子どもがわからないのは親がわかろうとしていないことにある。
私自身の子育てをふりかえってみると、一番頭を悩ませたのが、歯車の合わない我が子とのつきあい方でした。意識して同じように育てているつもりでも、きょうだいでリアクションが違うのです。そのうち、親の言うことをよく聞いてくれる子のほうがやりやすいと感じ、反発ばかりしてくる子どもには、ますます距離が離れていくのです。
子どもたちの歯車のまわり方の違いにもっと早く気がついていれば、こんなにもおたがい苦労しなかったのではないかと、残念でなりません。
私がこのことに気がついたのは、息子が18歳のときでした。大きな問題に直面して、子育てのやり直しを迫られていました。
子どもの気持ちをわかるにはどんな手立てがあるのかと、いろいろ考えました。そして、子どもが出しているサインは「自分のことを理解してほしい」という意味だったことを知りました。私がわかろうとしていなかったという事実に気がつきました。
小さい頃は、歯車の合う子はじょうずに甘えてきますし、気持ちは手に取るようにわかるのです。ところが歯車の合わない子どもは、親が忙しいときにかぎって甘えてくるのです。「後でね」ということになり、気持ちはよく分からず何となく信用できず、よけいな一言で子どもを傷つけることもあったのです。
気がついてから、子どもの歯車に噛み合うように努力をしました。キャッチボールでも、子どもが投げてくる球はきょうだい一人ひとり違います。受けやすいボールを投げてくる子もいれば、変化球の子もいます。受けての親は、いつも同じ場所で待っていては球を受けることはできません。
「もっとじょうずに球を投げろ」といっても、相手は技術の未熟な子どもです。そんなときには、大人のほうが子どもの投げた球に合わせて受け方を変えてみる。そうすると、子どもとの心のキャッチボールも楽しくなることでしょう。
子育ては思いもよらないことの連続で「まさか!」と叫んでしまうことが起こります。うれしい出来事もありますが、途方にくれる事件に出くわす場合もないとはいえません。
驚きで頭が真っ白になっている状態で冷静な対応は難しいのですが、子どもが「困ったこと」を起こしたときの親の適切な対応はとても大切です。そのときの「ひとこと」で子どもが救われたり、傷つくことがあります。
大きな問題を乗り越えるには、親子ともにエネルギーがいりますが、これまでの子育てを振り返るよいチャンスでもあります。同じ問題を起こさないためにも、ふだんから考えておきましょう。
一番大切なことは、起きたことを責めても問題解決にはつながらないということです。「なぜ」を真剣に考えましょう。
(池添 素:1950年生まれ、京都市(醍醐和光療、保育所)職員を経て、「らく相談室」を立ち上げ、福祉広場理事長、京障連事務局長)
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