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「学びの共同体」づくりの教育改革は多くの子どもたちに支持されている

 私は、学校改革が困難であることを最も知り尽くした者の一人だと思う。かつて十数年にわたって1000校以上も学校改革に失敗し続けてきたのだから。学校を変えることの難しさ、教室に学び合う関わりを築く難しさ、教師たちの間に同僚性を築くことの難しさ、親同士の間に連帯を築くことの難しさは痛いほど思い知らされた。
 そうであるからこそ、「学びの共同体」づくりは、多くの子どもたちに支持され、多くの校長や教師たちの創意的な挑戦を誘発していのかもしれない。
 「学びの共同体」づくりの学校改革が全国各地で進展している。神奈川県茅ヶ崎市の「浜之郷小学校」スタイルの改革が1000校以上の小学校で挑戦し、静岡県富士市の「岳陽中学校」スタイルの改革が300校の中学校が推進している。
 「学びの共同体」づくりの哲学は、「学校と教師の責任は、一人残らず子どもの学ぶ権利を実現し、子どもたちが高いレベルの学びに挑戦する機会を提供すること」にある。残念ながらそのような学校はまれである。子どもたちは学年を追うごとに学びから逃走している。一人残らず子どもの学びの権利を実現しようとすれば、教師個人の努力では不可能である。
子どもの学びの権利を実現するためには、
1 小学校でも中学校でも学年の教師集団が同僚性を築いて協力し合うこと。
2 子ども一人ひとりが「主人公」となって学び合う関係を築き、教師と協力すること。
 子どもたちは仲間と学び合う機会を教室に保障すれば、教師よりも早く改革のヴィジョンを体得し、教師たちの半歩先に立って改革をリードする役割をはたしてくれる。
3 子どもが学び合う関係を築きあげるためには
(1)
教室において、子どもたちが「教材・他者・自己」との対話が一体となった活動を行う。その基盤は柔らかな声と身体による交わりにあり、聴き合う対話的コミュニケーションにある。その具体として、すべての授業に男女4人の小グループによる協同的な学びを導入する。
(2)
授業の事例研究をすべての教師が行い公開する。授業後に行われる検討会では、授業の技術や教材の検討よりも、教室の事実にもとづいて、どこで子どもが「学び」どこで「学びが閉ざされた」のかを中心に議論する。
(3)
授業に、保護者も教師と協力して学習参加する。
(
佐藤 学:1951年生まれ 東京大学教授を経て学習院大学教授 学校を訪問(国内外2800)し、学校現場と共に学び合う学びの改革を進めている)

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