社会科:面白くない授業とは?
平成13年度は、510学級の授業を参観させていただいた。
私が見せていただく授業は、いわゆる「研究授業」が圧倒的に多い。だから、授業参観後、指導講評なるものをしなければならない。これが待ちどおしい学校があるかと思うと、苦痛でたまらない学校がある。そのちがいは「授業のよしあし」である。
私の役目は、授業の腕が上がるようにサジェストすることである。先生方にやる気を出させ、授業を楽しむようになってもらうことである。
ところが、面白くない、内容のない、遊びのような授業を見ると、つい本音が出てしまう。そして「どうしてこんなに面白くない授業をするのか」と考え込んでしまう。
面白くない授業の特徴は「教材内容がないか、教材内容があってもすごくうすい」ということである。
これには、教科書にも原因がある。びっくりするほど内容のない教科書がある。これでは、学力低下は目に見えている。
面白くない授業を見ると、どうして子どもの学習意欲を高め、深みのある教材内容を提示できないのかと思ってしまう。金子みすゞが詩で表現しているように「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬけれどもあるんだよ」ということに気づかせるのが社会科である。
(有田和正:1935年生まれ、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授を経て,東北福祉大学教授。教材・授業開発研究所代表。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、授業の名人といわれている)
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