楽しく伝え合う学級づくり
「おしゃべりはするのだけど・・・」「単語で話すだけで・・・」という声をよく耳にします。そして、「うちのクラスは話すのが苦手で・・・」「話し合いの学習なんてとんでもない・・・」という嘆きに変わっているようです。
このようなおしゃべりや単語の会話の問題は、子ども達のコミュニケーションの範囲がいかに狭いかを表しています。そこで通じるのは家族や友人などのごく親しい間柄の人達だけです。家族や友人との会話だけでは会話力がつくわけはありません。
様々な立場、意見、感情の人と話す体験を積まなければ、会話力を向上させることはできないのです。「社会」の中で生活していくためには当然のことです。
このこのように考えると、学級経営と連動する形で「話すこと・聞くこと」の指導を行わないと成果が期待できないといえそうです。そこで、私の考えるコミュニケーションを豊かにする指導の方向は、次の3つです。
(1)会話が人間関係を作り豊かにするという体験を持たせる。
ゲーム形式で行い、「知らない人と知り合う」「人からいろんな事を学ぶ」「自分の何かを感じ取ってもらう」という体験を繰り返す。会話の質を上げようという意識を持たせる。
(2)会話力を鍛える指導を意図的・計画的に行う。
この指導は、論理力、表現力、理解力、対応力がポイントです。技術を一つひとつ取り出して指導していきます。
(3)実際の場面で身につけた技術を活用する。
学習したことの生活化です。(2)で学んだことを、実際の生活の場面で活用させるのです。総合的な学習の場面がその1つだともいえるでしょう。
「今日は、~((2)で学んだなかの技術)を使いましょう」「この場面では、~((2)で学んだなかの技術)と~((2)で学んだなかの技術)を使います」といった学習活動を取り入れるのです。
(菊池省三:1959年生まれ 福岡県公立小学校教師 全国コミュニケーション教育研究会会長 全国教室ディベート連盟研究開発委員 NPO授業づくりネットワーク理事 実践教育研究21サークル代表 菊池道場主宰
北九州市すぐれた教育実践教員表彰 福岡県市民教育賞受賞)
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