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職員室で同僚に人気があるのはどのような教師か

 職員室で同僚に人気のある教師は、どのような教師かを調べたことがあります。
 人気のある教師とは、評判のいい人であり、同僚から信頼の視線の向く教師でもあります。
 それは、親切で優しい教師、とまとめることができそうです。親切で優しい人柄は、同僚から信頼されるだけでなく、子どもからも信頼されるでしょう。これは、教師の特性の一つになるだろうなとも、思われてなりません。
 嫌な仕事も進んで引き受ける教師、責任感の強い教師、相手のことを考えて気配りのできる教師も、同僚からの信頼は高いです。
 でも、こうした教師の声を聞きながらも、気がかりなことがあります。それは、嫌な仕事を進んで引き受けてくれる教師が高く評価されるなら、嫌な仕事は他人に押しつける教師もいるのかなと思えるからです。こうした点は、職場でどうなっていますか。
 また、相手のことを考えて気配りのできる教師が、評判がいいのは当然でしょう。これからの学校は、いろいろな特性をもつ教師が力を合わせて仕事を進めることが必要とされています。そうなると、同僚と協力できる教師がぜひ必要とされるでしょう。我を張るだけでなく、折り合いをつけることのできる教師が必要なのです。他人の意見や立場をわかり合える教師が。
 同僚に対して厳しい姿勢で接しようとすると、今はあまり評判がよくないようです。残念なことだと思います。時には、厳しく注意し合い、後はさっぱりとした関係はつくれないものでしょうか。こうしたことがないと、許し合い、もたれ合い、慰め合いばかり進んで、仕事に遂行に甘さが出てしまいます。教育界が微温湯的だといわれがちなのは、こうしたことも原因するかと思うのです。
 自分に甘く、他人に厳しく接する人は、どんな職業でも嫌われます。特に教師は、子どもと接し、保護者とかかわり、同僚と仕事を進めるのです。いずれの場でも、他人に要求することは、自らにもきちんと課する自律心が求められるのではありませんか。自分で気をつけるしかありません。特に校長や教頭など管理職と呼ばれる人ほど、気をつけたいことであるようです。
(飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長を経て、千葉県浦安市立浦安小学校校長。千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)


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