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一人ひとりの子どもとのかかわりかた

 学級づくりの第一歩は一人ひとりとの子どもとの心の交流である。
 一人ひとりの子どもとかかわるとは、教師の役割を脱いで一人の人間としての魅力を子どもに感じてもらうことである。
 教師からのあいさつは、「きみのことを気にかけているよ」というメッセージである。たとえ返事が返ってこなくても、そのうち心を開いてくれるだろうと、考えて続けるといいだろう。「佐藤くん、おはよう」「裕子さん、ありがとう」と、子どもの名前を添えるとよい。
 次第に子どもほうからもあいさつしてくれるようになる。そうしたら、すかさず「サッカーの練習は厳しいのかい?」と質問してあげるといい。会話が広がり、関係が深まっていく。
 子どもは自分に対して親しみをもって接してくれる教師、自分のことを受け入れてくれる教師には自ら心を開いてくれる。
 人間的な魅力を感じてもらうためには、教師から気さくに話しかける。「寒いね」、作業した後に「ちょっと疲れたね」といったちょっとしたひとこと。
 自己開示とは、教師の立場からでなく、一人の人間として、思いや考えを率直に語ることである。「話したいから話す、参考にしたければしてくれ」という気持ちで話し始めるといいだろう。ポイントは、説教くさくならない。自慢しない。暗く深刻になりすぎない。
 人の雰囲気は必ず相手に伝わるものである。高飛車・冷たい・厳しく評価する雰囲気を感じると、子どもたちは傷つくことを恐れ、教師からどんどん距離が離れていく。
 一度心の距離が開いてしまうと、教師のことばは子どもの心に響かなくなる。しかし、教師と子どもの心の距離が近く穏やかな雰囲気の中で発したものであると、子どもの心に残る。
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河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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