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いじめアンケートの実施上の留意点

 いじめアンケートを実施するときの留意点と活用の方法について管野 純はつぎのように述べています。
1 いじめアンケートの目的と問題点は
(1)
いじめの実態を把握して、いじめの対応、予防などの検討を行う。
(2)
子どもにいじめについて考えさせ、自分の行為を反省する機会を与える。また、教師にいじめ問題への意識の喚起をうながす。
(3)
いじめについて教師が注意をはらい、積極的に取り組む姿勢を子どもにアピールし、いじめの抑制をはかる。
(4)
子どもがどこまでいじめなのかわからず、かなり幅のある回答になってしまう。
(5)
密告的な調査となり、子どもたちの関係が相互不信感をまねいてしまう。
(6)
調査結果をひごろの指導に活かしきれない。
2 いじめアンケートを作成するときの留意点は
(1)
いじめという言葉を使わず、具体的な行為を問う
「クラスの人からわざと無視されたことがありましたか?」など。
(2)
目撃したいじめ行為を問う 
(3)
いじめ行為をされた時期と場所を問う
 時期(一週間以内・この学年になってから等)と場所をあいまいにすると、適切な対応策がこうじられない。
(4)
いじめを受けて自分なりにとった対応を問う
3 アンケート実施前に事前指導をしっかり行う
 教師が自分の言葉でしっかりとつぎのように伝える。
(1)
いじめをなくすことは、みんなの願いであり、教師の願いである。
(2)
この機会に他者の痛みをわかる人間になってほしい。
(3)
いじめられていることに気づいた人は、それをしっかり伝えることでみんなの役に立つ。
(4)
いじめをしていた人も、そうした自分をのりこえるきっかけにしよう。
(5)
教師はこの結果を活かしてみんなが安心して充実した学校生活が送れるようにする。
4 いじめアンケートを活用する
(1)
いま発生しているいじめの危機介入をする
 いじめを目撃されているが加害者の名前がわからない場合、教師はいじめを許さない姿勢を毅然と伝え、被害者にはいつでも相談にのることを伝えます。また、休み時間や清掃の時間などでそれとなく観察を行い、被害者、加害者の特定を行っていきます。
(2)
子どもの精神的な成長をうながす
 集計結果を解説したものを配布し「いじめアンケートを回答して感じたこと、考えたこと」の感想文を書かせます。
 いじめる心、いじめられた人の心、人間としてすべきでないこと、理不尽なことの自分なりの克服法などについて考えるきっかけになるよう指導します。
 文集やクラスだよりに掲載したり、発表会を開いたりして互いに感じ考えたことを共有するようにします。
(3)
教師として感じ考えたことを子どもたちに伝える
 教師の子ども時代の体験や世の中で起きている出来事とむすびつけて人間として語ります。建前よりも教師の存在をかけて話すようにします。
(4)
教師間の共通理解にいかす
 いじめをめぐる議論はさまざまな価値観や教育観がでて、観念的になりがちです。いじめアンケートの具体的なデータをもとに
・そこから何を読み取るか
・子どもたちが教師に訴えているものは何か
・子どもたちの自己解決力はどのようなもので、どこから指導介入を行わなければならないか
などを話し合います。
(
管野 純:1950年、宮城県仙台市生まれ、東京都八王子市教育センター教育相談員を経て早稲田大学教授。不登校、いじめ、非行など、さまざまな子どもへのカウンセリングに加え、学校崩壊をはじめとする学校のコンサルテーションに取り組む)

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