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人生の目的を小学校で教えると素晴らしい人生を歩めるのではないか

 人生の目的を小学校のころに教えることができたら、子どもたちはより素晴らしい人生を歩めるのではないかと思います。
 私は、生きているあいだにどのくらい善きことをしたかが、魂の価値だろうと思っています。人間性を磨くこと、すなわち魂を磨くこと、それが大事なことであり、魂を磨く、つまり人間性を高め、素晴らしい人格を身につけることこそが、人生の本当の目的なのです。それを抜きにして現世を生きる意味はありません。
 人それぞれのコースをたどって生き、人生が終わるわけですが、どのコースをとろうとも、「人間性を磨くために創造主が与えてくれた道だった」と理解すべきだと思います。
 人生の目的は「成功もけっこう。おもしろおかしい人生もけっこう。しかし、それは生きていく一つの過程であり、人生の目的は人間をつくることだ」
 このことを子どもたちに教えてあげられたらと思います。たぶん、そのときは理解できないかもしれません。しかし、頭のかたすみに残ってさえいれば、大人になったとき、それを思い出すこともあるでしょう。そのような教育も決して無駄なことではないはずです。
 現実には学校ではそのようなことを誰も教えていません。心の喪失の時代といわれ、精神面の発達がともなっていません。
 では、われわれは人間性を磨くために何を心がければよいのでしょうか。それには、
(1)
人のために尽くしたい、世の中のために尽くしたいと思うように努めることです。(布施:施しをすること)
(2)
自分を戒めてエゴを抑えていく。(持戒:戒を堅く守ること)
(3)
波瀾万丈の人生に耐えていく。(忍辱:侮辱や苦しみに耐え忍び、心を動かさないこと)
(4)
精いっぱい働く。(精進:ひたすら努力すること)
ことです。これらのことを通じて人格を高めていくようにさせることが肝要だと思います。
 このことは、お釈迦様が二千五百年前に説かれ、それが人間をつくることであり、悟りへの道であると教えてくださっているのです。仏教を信じるかどうかは別にして、普通の人間が生きるための知恵としてぜひ取り入れるべきだと私は信じています。
 私は、いつも簡単な仏教の本をもって歩き、どこであろうと、ひまがあれば読んでいます。それくらい繰り返し読んでも、すぐに忘れてしまい、なかなか実行できません。それでも、そうしなければならないと思いつづけること、毎日心がけることが大切だと私は思っています。
(
稲盛和夫:1932年生まれ、実業家。京セラ・KDDI創業者、稲盛財団理事長として国際賞「京都賞」を創設し人類社会の進歩発展に功績のあった人を顕彰、日本航空取締役名誉会長、若い経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長)


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