子どもの心を育てる教師とは
私が教師になって最初に持った目標は「子どもや保護者から信頼される教師になる」ということであった。
私の経験から子どもの心を育てる教師とは
(1)「ありがとう」を大切にする(「ありがとう」と言われたときに感じる喜びを体感した子どもは他人を傷つけない)
(2)親や自分を大切にする子どもを育てる
(3)人として当然のことが自然にできる子どもを育てる
(4)恩返しの心を育てる(助けたり支えられたりすることによって、心の温かみのある学級になる)
(5)教師が人生を語る(教師がどのような人生を経て人間味を身につけてきたかを子どもに伝え、人生って不思議だな、面白いな、生きがいがあるなと感じさせたい)
(6)自立心を育てる(体験を重視し、好奇心を起こさせる場を設定し、失敗をくり返しながら、自立に向けて、判断力・決断力・責任感を身につけさせていく)
(7)反骨心を育てる(人は人生において誰もが挫折を経験する。挫折のあと逃げずに奮起する心が後の人生に大きな違いを生じさせる)
(8)努力の大切さを伝える(たった一度の人生、努力することなく一生を終えるのは何と残念なことであろうか)
(9)真の強さを諭す(我慢することが真の強さである)
(10)働くことの喜びを悟らせる(かつては手伝いや働くことの方が勉強より優先されていた。好奇心が旺盛なときに、家庭や学校で手伝いさせる場を与えることである)
(11)心で叱る(子どもの心に響く叱り方を。人間味を変えるような叱り方ができたか)
(12)真面目さ・誠実さ・勤勉さを認め賞賛する(このことを日本人に復活させたい)
(13)人間味を大切にする(あいさつ・他人のよいところを見つける・他人の嫌がることができる・人に譲ることができる・ありがとうと人から言われることができるような、豊かな人間味のある幸せな生き方を)
人間は偉大である。その偉大なる人の人格を完成させるのが教育である。それを実践できるのが教師という職業である。教師とはそれほどの大役を担った職業である。大いに誇れる仕事である。感動で涙を流すことができる職業である。
皆さんの人生と私の体験を重ね合わせ、新たな人生観・教師観を確立されることを願ってやまない。
(赤坂英二: 1946年岡山県生まれ、岡山県公立小学校教師、ベネズエラの日本人学校、岡山市指導主事、岡山市立学校校長、就実大学教授)
| 固定リンク
「子どもの成長をはかる」カテゴリの記事
- 読書指導で子どもは変わる 杉本直美(2021.07.01)
- 「聞いてまとめる力」を鍛えていかないと子どもの学力は伸びない 成瀬 仁(2021.06.21)
- 子どもを成長させるためには、絶えず追究し創造し、新しいものを子どもたちのなかにつくり出さなければならない(2021.02.26)
- 子どもの脳を成長させるには、どのようにすればよいか(2021.01.05)
- 才能はつくるものである(2020.12.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント