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よい学級は認め合いルールに守られた学級である

 子どもたちが、お互いを認め合い、ルールに守られた安心感のある学級でることが、学級経営の要であると私は考えています。
 最も重要なルールは、「人を傷つけてはいけない」というルールです。このことが守られるだけでクラスの子どもたちの安心感がぐっとアップします。このルールを担任は繰り返し伝えていく必要があります。
 おすすめの心理学の実習(エクササイズ)に「ニコニコさんとチクチクさん」があります。
 どんな言葉・行動・表情をされると心がニコニコになるのか、チクチクするのかをワークシートに書いて、みんなで考えていくことで、人と自分の違いに気づきます。自分には平気なことが、人にとっては傷つくこともあるからです。「相手を傷つけるのをやめよう」という雰囲気を学級の中に育んでいくことができます。
 もう一つ重要なルールなのが、「人と話しているときは、黙って最後まで聞くようにする」ことです。人の話を最後まで聞けない学級は、数ヶ月後に荒れてくることが多いように思います。
 この二つのルールを守らせるだけで、ずいぶんいい学級ができると思います。
 子どもたちにルールを守らせるコツは、「~してはいけません」と言うのではなく、逆に「こうしてほしい」という行動を、具体的に伝えることです。
 たとえば、廊下を、「走ってはいけません」と書いてある貼り紙を「ゆっくり歩こう」に変えただけで走る子どもがずいぶん減ったという小学校があります。
 さて、「お互いを認め合える、あたたかい学級づくり」のために、おすすめな実習に「がんばり見つけ」、「よいところ探し」などがあります。同じ班の子どもたちの「がんばっているところやよいところ」見つけてカードに書き、伝え合うというものです。これを行事のあとに行うのです。これを年間通して行うと、お互いを認め合える、あたたかい学級づくりができると思います。
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諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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