学校改革をするときに配慮すべきこと
全国の学校を訪ねると決まって「学校の現状を変えたい、学力を上げるにはどうしたらよいか、人材育成をどうしたらよいか」との言葉が返ってきた。なぜ、こうした課題があるのか、私なりに分析すると、学校が時代の変化に合わせていないことに気づいた。従来からの運営方法に固執し変化を求めない学校の姿があった。
学校改革をするには、まず、校長が度胸をすえることである。うまくいかなかったら職を賭けるような姿勢が欲しい。
最初は学校の現状をよく分析し、改善策を学校内外に伝え、具体的な方法を示すしかない。
つぎにワークショップ型の会議方法を生かすことである。校長が方針を決めたら、ワークショップ会議で教師の意見を吸い上げることが大切である。全員の意見を聞いたうえで最後は校長が決断するとよい。
改革は、何があっても最低2年は続けることである。改革を中途で終わらせてはならない。軌道に乗るまでが大切である。教師は変わりたくないという一面を持っているので、変わったことに慣れてもらうことも大切である。
なお、学校改革の理解者を増やすことである。来校者に理解してもらうようにするとよい。
課題は、異動してきた教師への対応である。なかなか学校を理解することはできないので「新赴任者への手引き」を作り、理解させるようにした。
(西留安雄:東京都東村山市立大岱小学校長を経て、幼稚園長。全国各地の学力向上の指導に当たっている。大岱小在職中、文部科学省学力向上推進事業推進校として学力向上の研究を進め、多くのメディアに取り上げられた)
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