« 近年の日本の教育改革は教育の社会からの信頼の回復をキーワードにして進められてきた | トップページ | 学校改革をするときに配慮すべきこと »

落ちこぼれを出さない教育改革

(1)授業公開の原則
 公開授業の目標は、「一人ひとりの生徒を大切にし、楽しくてわかる授業の実践をめざし、教職員相互間の反省、向上を目的とする」ということだ。
 授業を大切にするとともに常に指導技術を向上させるため授業は公開制とした。誰でもいつでも、どこの授業を参観してもよい。参観した人びとは必ず参観した授業について批評カードに記入し、提出してもらうことになっている。
 授業者は、このカードを参考にいっそう自分の授業を工夫し、完全なものにしてゆくのである。
 参観者は、付近の小・中・高校の教師たち、保護者、地域の人びとである。
(2)
自主的な教科研究
 各教科で独創的な研究を行い、生徒の能力に合致した指導と個々の生徒の到達目標に適応する教育内容を目標に教科活動を進める。
(3)
到達目標の作成
 従来の一律的到達目標の設定を避け、生徒の能力に応じた個別的到達目標を設定し、各教科は生徒個々に応じた指導に重点をおき、落ちこぼれを出さない工夫を考える。
 生徒は喜んで宿題をやってくる。その理由は、個別的達成目標を勘案して、生徒の能力に応じた宿題が個別的に出される。だから、誰もが同一な努力量ででき、問題を解く喜びを知ることになる。
(4)
学力別編成
 学力別編成により生徒の劣等感を起させないよう配慮している。
 生徒の学力格差がおおきいため、A(高校標準以上)~E(小学校程度)クラスまでとなっている。クラス選択は生徒の自主性にまかせ移動可能とした。実力が向上すれば下位のクラスは消えていく仕組みになっている。
(5)
困難な事象にも真正面から取り組む
 教育の世界は常に新しい事例に対処しなければならない。生徒個々の性格がちがうように、いつも同じ指導法では目的が達成できない。したがって、その生徒に適応する教育方法を工夫し、実践しなければ効果はあがらないものである。
 しかし、事例に適する類似の指導方法は実践記録の中に必ずあるものである。その類似の指導法を参考にしながら生徒個々の指導方法を確定し実践する。
 ところが、実践記録にもない新しいケースが頻繁に出現し、教師たちを悩ませたが、回避することなく、敢然とそれらの事象に対決し、幾多の困難を乗り越え、成功や失敗を繰りかえしながら取り組んだ。
(若林繁太:19252007年、私立篠ノ井旭高校(現・長野俊英高)教諭・校長、読売教育賞受賞、「落ちこぼれを出さない教育」をめざし非行歴のある生徒や中退者を積極的に高校に受け入れた。著書『教育は死なず―どこまでも子どもを信じて (1978)』がベストセラーとなり、映画化もされた)

|

« 近年の日本の教育改革は教育の社会からの信頼の回復をキーワードにして進められてきた | トップページ | 学校改革をするときに配慮すべきこと »

教育改革」カテゴリの記事

教師の成長・研修」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 落ちこぼれを出さない教育改革:

« 近年の日本の教育改革は教育の社会からの信頼の回復をキーワードにして進められてきた | トップページ | 学校改革をするときに配慮すべきこと »