私心(自分ひとりの利益をはかろうとする気持ち)にとらわれない
私心(自分ひとりの利益をはかろうとする気持ち)にとらわれて物を考え、事を行うということになると、いろいろと好ましからざる姿がおこってくると思うのです。
私心にとらわれて商売をしたならば、他に損害を与えても自分だけ儲けたらいいなどといった姿に陥り、大きな迷惑を与えかねません。そしてそれはやがて自分自身の信用を傷つけ、みずから墓穴を掘ることにもなりかねないでしょう。
けれども実際には、私心にとらわれるという姿は、世の中にたくさんあるように思われます。が、そういう姿はたいていの場合、自他ともにのマイナスというか不幸に結びついているように思います。
だから、お互いに素直な心になることが大切なのです。素直な心になったならば、もちろん私心は働くけれども、それにとらわれることなく、他の人びとのことも十分に配慮する、というような姿になると思うのです。また、つねに自他とものよりよき姿を実現するためにという基準でものを考え、事を進めてゆくようになると思うのです。
私心にとらわれない態度、行動というものは、非常に好ましい姿をもたらし、好結果につながるのではないでしょうか。
(松下幸之助:1894-1989年、パナソニック創業者、経営の神様と呼ばれ、日本を代表する経営者)
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