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たえず自分を叱りつけ励まし、信念なり使命感をより強固にていくことがどうしても必要だ

 私の場合、事業を始めた当初は、いわば食わんがためにとにかく一生懸命に働いたにすぎませんでした。しかし、一年たち二年たつにつれて、また人が十人、二十人と増えるにつれて、”経営者は信念をもたなければならないとか、使命感に立たなければならない”ということをだんだん考えざるを得ないようになってきました。
 年中、なんとなしに働いていたのではすまない気がして、会社としての理想なり使命感といったものを、私自身のためにも、また社員に話をするためにも持たなくてはいけない、という気になったのです。いわば必要に迫られてそういう気分が生まれてきたわけです。
 それから私は、自分の考えたことをもとによく社員に、信念を持てとか、使命感を持って仕事をせよとかいうことをいってきたのです。
 しかし、その私自身がどうであったかといいますと、必ずしも人より強い信念や使命感を、つねに持っていたわけではありません。むしろ、ともすればくじけそうになり、また時に煩悶がはげしいこともありました。
 けれども、そのたびにまた心をとりなおし、勇気をふるい起こして社員の人たちにも話をする。そしてそのことによって、私自身、その信念なり使命感をより強固にしてきたというのが正直なところのように思います。
 人間というものは、強いことをいう人ほど、心のうちでは煩悶しているという面があるのではないでしょうか。ですから、たえず自問自答して、しっかりとしたものを持たなくてはならない、と自分で自分にいってきかせる。ともすればグニャッとなる気持ちを、自分で自分を叱りつけ励ましていくことがどうしても必要だと思っています。
 そういうことを日ごろ重ねていれば、何か事があったときに、はっきりしたものが持てると思うのです。その意味で、どういう道にあっても、人生なり仕事というものは一生が修業だという気がします。
(松下幸之助:18941989年、パナソニック創業者、経営の神様と呼ばれ、日本を代表する経営者)


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