興味を持つべきところに、子どもを連れて行くのが教師です
興味を持つべきところに、子どもを連れて行くのが教師です。
子ども中心の授業、子どもの興味・関心にそった授業が大変よいものとされているようです。
でも、子どもというのは未熟で、自分が何に興味を持っているのか、よくわからないことがしばしばです。「あなたの興味を持っていることは?」ときいて、そこから授業をしようとしたら、大変レベルの低いものになっていきます。
子どもがそのとき、興味を持つべきことに興味を持つように連れて行って指導する、それが教師だと思います。子どもの興味を大事にするけれど、ぜひ関心・興味を持ってくれなければならないことに、きっちりと、向けて行かなくてはならないのです。ただ、子どもの後をついていくのではないのです。かといって、教師の押しつけではありません。
素人がやりますと「人にすすめられた」「押しつけられた」という感じを与えてしまいがちですが、本当の教師なら、ぐんと引っ張っても子どもはそんな気がしないで、自分から発したもののように子どもが感じるのです。
もちろん、そこが腕前です。それには時間をかけて、いろいろと工夫します。ですから子どもは、それが自分の中からわいたものというような気持ちになって、学習を自分のものにする意識になるのです。
(大村 はま:1906-2005年、長野県で高等女学校、戦後は東京都公立中学校で73歳まで教え、新聞・雑誌の記事を元にした授業や生徒の実力と課題に応じた「単元学習法」を確立した。ペスタロッチー賞、日本教育連合会賞を受賞。退職後も「大村はま国語教室の会」を結成し、日本の国語科教育の向上に勤めた)
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