学級づくりの基本とゴールとはなにか
失敗から得た学級づくりのヒントを述べてみましょう。
以前、私は教育実践のネタをたくさん持っていればすばらしい学級がつくれ、授業ができると思い込み、教育書を買いあさり、ネタの収集に情熱を傾けた。有名な実践家の本を読み、かたっぱしから追試した。
そのなかにはうまくいくものもあれば、全くうまくいかないものもあった。どちらかというと、うまくいかない方が多かった。本から本へうまくいきそうなネタを探した。
また、導入の数時間はうまくいくこともあったが、単元を通じて子どもの意欲が維持されたりすることはなかった。
私は、仕入れたネタを子どもに披露することばかりにエネルギーを注いでいた。しかし、子どもはもっと自分たちに向き合って欲しかった。もっと自分たちの気持ちを聞いて欲しかったのだ。
学級の子どもたちは徐々に私に対し反抗的言動をするようになった。教室は気まずい時間が流れる日々となった。かなり痛い思いをした。「どんな優れた教育実践も、良好な関係性なくして成立せず」という、仕事の基盤を学んだ。
学級づくりをするためには、最初にしっかり「教師と子どもの信頼関係」(タテ糸)をはらなければならない。その安心感をベースに「子ども同士がつながる」(ヨコ糸)ように様々な手だてを講じていくことが学級づくりの基本である。
学級づくりのゴールは、学級を課題解決するチームにすることである。あたかも教師が指導していないように見える状態に育てる。教師と子どもの確かな信頼関係がそれを実現するのである。
(赤坂真二:1965年新潟県生まれ、小学校教師(19年間)を経て、2008年上越教育大学准教授。アドラー心理学アプローチの学級経営を研究。「学級づくり改革」セミナーで全国行脚)
学級づくりの基本とゴールとはなにか
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