子どもに「よく聞きなさい」と言うのは恥と思っている
「よく聞きなさい」と言うのを自分では恥のように思っています。「よく聞きなさい」と、言わなければ聞かせられないのかと、つらいのです。
私は教師の話し方は、一ぺんでわかるような話をするということが、教えるときの、教材準備のいちばん大事なところだと思います。
言葉をいかにやさしくしても、構成の悪い話というのは、子どもにはわかりません。ですから「話し出しのくふう」と、「組み立て」「おしまい」、そういうことは気をつけて、案を立てて話をします。
話の材料というのは、ほんとうに一生懸命に捜しています。私自身が、心から話したいと思わない話は、どうもだめです。新しい発見がない話、受け売りだけの話は、だれもあまり興味が乗りません。
子どもたちみんなに「よく聞きなさい」という前に、どれくらい自分がいい話し手になるかということが問題だと思っています。
(大村 はま:1906-2005年、長野県で高等女学校、戦後は東京都公立中学校で73歳まで教え、新聞・雑誌の記事を元にした授業や生徒の実力と課題に応じた「単元学習法」を確立した。ペスタロッチー賞、日本教育連合会賞を受賞。退職後も「大村はま
国語教室の会」を結成し、日本の国語科教育の向上に勤めた)
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