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子どものトラブルが生じたときはどうすればよいか

 学校生活の中で、子ども同士のトラブルはよく起きます。
 成長期にある子どもにとって、教師が上手に対処すれば、トラブルは成長のきっかけになります。しかし、うまく対応しないと、学級の人間関係が崩れてしまいます。
 トラブルが起きたときは、どうすればよいのでしょうか。
 トラブルが起きたときの初めの言葉かけが大変重要になります。トラブルを起こした子どもは、トラブルの内容で頭の中がいっぱいになっています。
 そこで、教師はまず、子どもたちに対して、落ちついた口調で「どうしたの?」「何があったの?」とトラブルを起こしている子どもの気持ちに寄り添った言葉かけでかかわることにします。
 かかわり始めは、子どもの怒っている気持ちを受けとめて、大きな声で速いテンポでの言葉かけになることもありますが、寄り添いながら、その対応の雰囲気が、しだいに落ち着いたものになるように導いていく必要があります。
 子どもが少し落ちついてきたところで、このトラブルが起きてしまうまでの様子について、ゆっくりと思い出させていきます。このとき、教師は、落ちついた雰囲気で丁寧に対応し続けます。こうしてゆっくりと思い出させることで、子どもは落ちつきを取り戻し、トラブルに至るまでの様子を詳しく思い出していきます。
 二人以上の子どものトラブルであれば、それぞれの立場から見たことを明らかにします。
 トラブルの様子が明らかになることで、それぞれの相違点が明らかになります。この相違点に子どもが気付き、具体的な改善点を探し出すようにするのです。
 「どの場面で、どのようにすればよかったのかな」と、考えさせるようにします。このように、改善点を自分たちで考えることで、トラブルを通して成長することができるのです。
有村久春:1948年鹿児島県生まれ、東京都公立学校教師・指導主事・小学校長、岐阜大学教授等を経て、東京聖栄大学教授。専門は生徒指導論、カウンセリング、特別活動論

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