子どもの生活態度に問題があるとき、どのように親に伝えればよいか
担任が一人でがんばっても、子どもの生活態度はなかなかよくならない。家庭と学校が同じ方向で教育してこそ効果があがるのである。
担任は、子どもを見て「こんなことは困る」ということがあれば、家庭にも連絡すべきである。ただし、この連絡のしかたが問題であるのだが。連絡のしかたを間違えると、なおさら困った問題がおこってくる。
今の保護者たちは、学校や教師をあまり信頼していない。悲しいことだが、事実である。そういうことを前提として考えておくべきである。
担任が個人的に保護者に注意するときは、親の考えや言い分を十分に聞くことである。決して一方的に教師の方からだけ注意してはいけない。そして、子どもの悪いところだけを指摘しない。三つほめて一つ注意するといった言い方が大切である。
それに、教師というのは、ものの言い方が「説教的」で「強圧的」で、上からみおろしたような言い方をする人が多い。保護者に「もの申す」ときに「説教調」の教師はトラブルをおこすことが多い。
保護者に子どものことで「もの申す」とき、私は誠意をもって謙虚につぎのように話すようにしている。
(1)逃げ場のない注意のしかたをしない。
(2)相手の立場、つまり、自分がその子の親だったら「どんな言い方をしてもらいたいか」と考えて言う。
(3)学校は集団の中で生活態度の育成をするので、家庭では主として個人としてのしつけをしてほしいこと。
(4)学校は、学習指導を中心にして、子どもの人間性向上の指導をする。家庭では、学習よりしつけをしっかりやってほしいこと。子育てを学校と家庭とで分業でやりたいこと。
(有田和正:1935年生まれ、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授を経て,東北福祉大学教授。教材・授業開発研究所代表。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、授業の名人といわれている)
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