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どうすれば授業で子どもが集中するか

 どうすれば授業で子どもが集中するか。
 授業は、教師と子ども、子どもと子どものやりとりによってつくられます。不安定なものです。最初ははっきりしていることでも、やりとりが進めば進むうちにあいまいになることがあります。授業の集中が崩れるのは、ほとんどこのためです。
 それを支え、持続させていくのが教師の力であり、授業の組織化と呼ばれることなのです。
 「子どもというのは、集中する力を持っている。ただし集中する力というものは、教師がきびしく授業を組織する時だけ、その集中する力は引き出されてくるのです。子どもは集中すべき対象があると、ものすごく集中するのですけれど、対象がないと、とめどなく散乱するわけです」と林竹二氏(元宮城教育大学学長)は言っておられました。
 追究の対象は、子どもたちの討議の間に消化され、姿を変えます。ですから、表面的なものにとらわれていたのでは、子どもたちの集中を維持し、学習を発展させることは困難です。
 「子どもが集中するのは、授業の中に異なる視点からの異なる意見がたえずあって、それが子どもたちの考えをゆさぶるときである」と、すぐれた授業の実践者であった武田常夫は言っています。
 このような集中した授業の状態は、放っておいては持続されませんし、深まることはありません。教師が授業を組織する時に実現するものなのです。
(横須賀 薫 1937年生まれ、宮城教育大学学長を経て十文字学園女子大学学長。専門は教員養成や授業に関する研究)

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