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新しいものを生み出す力、それは小手先の技術ではなく、自分で考えることのできる教養です

 教養が何より重要だということを私は大伯父(清水南山:美術工芸家の第一人者)から教わりました。
 大伯父は東京美術学校(現在の東京藝術大学)の教授として、学生の指導をしていました。美術学校に入ってくる「絵は上手だけれども、ほかの勉強は嫌だ」というような学生たちは、技術的には確かに優れていても、そこから先へは進めなくなることが多かったからです。
 本当の創作家となっていくためには、小手先の技術だけではどうしても頭打ちになってしまう。技術の上に創造性や独自性といった、まったく別のものを生み出していく力を持たなければ、本当の芸術家にはなれないということに大伯父は気がついていたのです。
 技術だけがうまくても、それは専門バカにすぎないと。そして、私に「技術だけがいかに優れていても、そこに教養が伴わなければ、真の画家にはなれない。自分で考えるだけの教養がなければ、ものは生み出せないからだ」と教えてくれたのです。
 これはどんなジャンルにも当てはまると思います。人生の岐路において最も役立つのが実は教養なのです。まだ人生の発展途上の人には、ピンと来ないかもしれません。
 大伯父も私も、長い人生の中で実感として教養の重要性を感じた。この事実は大きいと思います。新しいものを生み出す力、それが教養なのです。
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平山郁夫:1930年-2009年、広島県生まれ、東京美術学校卒、前田青邨に師事、「仏教伝来」が注目を浴びる、シルクロードをテーマに旺盛な創作活動を続けた。東京芸術大学学長、日本美術院理事長を務めた。文化勲章受章)


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