子どもに「クソババァ」と言われたら、親はどう受けとめればよいか
子どもが親に「クソババァ」と言ったりする思春期は子どもにとって自分作りの時期なんですね。子どもは親を乗り越えて大人になるんです。
そのときに、親に指示されてそれに従ってしまうと、自分がない子どもになってしまうのです。自立できなくなってしまいます。思春期は自分をつくるとても大切な時期なんです。
「クソババァ」って言われたら、親のダメージがものすごく大きくって、「あんなに可愛かった子が・・・ えー?」っていう喪失感みたいなものを親はそのときは感じます。
子どものその言葉を親が聞いて、親の側が子どもの自立のサインだというのがわかっていれば、子どもの成長としてとらえることができます。
家庭は、ほっとできる場所だから自分の気持ちを素直に出しているのです。気持ちの出し方はいろいろですが、これはどうしても通らなければいけない道です。思春期の子どもがいる家はどこでも同じでしょう。
子ども自身もどうしようもないのです。自分に起きている体や心の変化だったりしているわけで、かまわれたくないっていう中で、自分を作っていくしかないのだから。
だから、子どもも「クソババア」って言って心を痛めていると思うんですよ。親も子どもも両方が痛みを伴いながら思春期を超えていくんでしょうね。
たぶん、通り過ぎて後からふり返ったときに「ああ、よかった」って思えるかもしれない。その最中は痛みを伴っているから、親は素直に喜べないでしょうけどね。
ちょっとつらい時期があって、それがきっかけでその後はまた新しい親子関係が生まれるということですね。痛みを越えたからこそできる関係だと思います。
(田村節子:東京成徳大学教授、主に小中学校のスクールカウンセラーとして、長年カウンセリングを行ってきた)
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