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大部分の親は学校での子どもの実情を教師が話すと、子どもの教育に目を向けてくれるようになる

 今の教師には権威がない。叱っても子どもはうなだれない。反抗的な言葉が返ってくることもある。
 こういう態度をとる子どもに根負けしたら、学級崩壊へとつき進む。教師が根負けしないためには、パワーや、知恵、いろいろな方法を試みることが必要である。
 その試みの一つに家庭の協力を得ることがある。学校の実情を家庭に知ってもらう努力を教師は惜しんではならない。
 このごろの親は様々で、学校の様子を話すと次のような様々な反応が返ってくる。
・学校の実情を話したら、とたんに子どもが良くなるということもある。
・「うちの子に聞いたら、そんなことはしていないと言っている」「先生は間違えて捉えている、いったいどうしてくれる」と意気まいて、反対に文句を言いにくる親もいる。
・「すみません」と言うが、子どもをどう指導したらいいのかわからない親もいる。
・親が子どもに言って聞かせても、言うことを聞かない子どももいる。
・親に話そうにも親がつかまらない家庭もある。家庭訪問しても親はいない。勤めに出ている。忙しいからとり合ってくれない。
・「そんなことは学校のことだから、学校でやってください」という言葉が返ってくる家もある。
 様々な家庭に子どもが育っていることを思い知らされる。
 親の愛情が足りないから子どもがこうなる、などと教師が知ったかぶりに話しても、親には親の事情もある。生活に手いっぱいなのはわかるだろうと言われてしまうと、それ以上は何も言えない。
 こうしたことがわかっただけでも日々の教育に役立つ。
 大部分の親は教師が話せばそれぞれの家庭の実情に応じて子どもの教育に目を向けてくれるようになる。学校と家庭とが協力して何としてでも、子どもを育ててやらなければならないのである。
(
飛田貞子:東京都の公立小学校教師を経て小学校校長)


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