若い担任は保護者が心配する、信頼を得るために、子どもと一緒に遊び、一人ひとりの子どもに声をかけかかわること
若い新任の私が2年生の担任になりました。保護者にとったら心配して当然です。わけのわからない新米の男性教師ですものね。
では、その不安をどうやってぬぐっていくか。それには、一に一生懸命、二に一生懸命、三、四がなくて、五に一生懸命。これしかありません。
少々授業がへたでも、保護者との対応が少々まずくても、一生懸命さは保護者にも通ずるもので、やがて保護者のほうから協力してくれるようになります。ですから、とにかく一生懸命にやるのです。
では、どんなことを一生懸命にやるのでしょうか。すぐにできることは「一緒に遊ぶ」、「わかるまで教える」ことぐらいです。
とにかく一生懸命に遊ぶことです。子どもは一緒に遊んでくれる先生を無条件に好きになります。少々授業がへたでも、一緒に遊んでくれる先生の授業は好きなものです。
そして、家で「学校は楽しい! 先生大好き!」と言います。保護者からみれば少々頼りなくても、子どもが「先生、大好き!」という教師に、親は決して文句は言いません。
もう一つできることは「わかるまで教える」ことです。でも本当に大事なのは、実際に「わかるまで」教えることができるかどうかではなく、「教師が私だけのためにしてくれているか」ということなのです。「私だけのため」の先生に、親は決して文句は言いません。
つまり、一人ひとりの子どもたちに声をかけること、かかわることです。「今日も先生は私の机に来てくれた」「今日も先生はボクに話かけてくれた」「今日も先生はボクの肩を抱いてくれた」・・・・・その積み重ねです。
教師から一人の子どもをみたら40分の一かもしれませんが、子どもからみるとまぎれもなく一分の一です。全体だけをみるのではなく、若さを生かして動いて、動いて、一人ひとりに必死にかかわっていくことです。
「若い」からこそ保護者からは心配されますが、「若い」からこそ期待もされます。その期待に応えられるように、一生懸命にしたいものです。
(仲島正教 1956年生まれ 兵庫県公立小学校教師21年、指導主事5年、48歳で退職。2005年より教育サポーターとして、若手教師対象にセミナーを開いている。若手教師パワーアップセミナー「元気が一番」塾主宰)
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