子どもの非を絶対認めない保護者にどう対応すればよいか
教師が状況を説明すればするほど、保護者冷静さを失い、教師を批判したりして建設的な話し合いができなくなってしまいます。
このような保護者はつぎのようなタイプの人がいます。
(1)子どもが家で見せる顔と、学校での様子が異なり、とても信じられない。
子どもは親の期待に応えようと親の前では、いい子になっています。親はいい子だった場合にだけ子どもを受容する傾向があります。
(2)親心として子どもを守ろうとする気持ちが強すぎる。あるいは、子どもを信じることが親のつとめだという意識が強すぎて、認められない。
(3)わが子の評価が保護者の評価のように感じてしまい、自分の立場を守るために認めない。
このような保護者は、立場がつらくなって自分が責められているように感じてカッとなりがちです。長い目で子どもの成長を考えることができず、毅然とした親の役割をとることができなくなっているのだと思います。
教師は「親としての責任をとがめているのではない」ということを保護者に理解してもらえるような配慮が求められます。
話し合いのポイントは、その子の学習や学校適応に支障が生じる可能性があり、教師と保護者が協力して考えたい、というところから始めましょう。保護者の方に家庭での工夫を聞き、生かしていきたいという姿勢を見せることがまず必要です。
そのうえで、子どもの具体的な行動について一つずつ話し合っていくことが求められます。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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