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担任と子どもとの友だち感覚の切り替えかた

 担任が子どもと友だちのような感覚で接すると、子どもは担任を身近に感じ、相談しやすくなるよさがあります。
 しかし、いつも友だちのように接しているのでは、敬語などの言葉づかいや、礼儀正しい社会的習慣を身につけさせることはできません。やがて社会に出て行く子どもたちにきちんとしたマナーやエチケットを教えることも、教師としての大切な役割なのです。教師は、子どもの手本となることが大切です。
 そのために、つぎのようなスイッチの切り替えをする習慣をつけさせます。
(1)
時間の切り替えスイッチ
 休み時間には、子どもと友だち感覚で話をすることがあります。しかし、授業が始まったとたんに、スイッチを切り替え、きちんとした「ていねい語」で話をします。
 このように、教師自ら休み時間と授業時間を区別するという手本を示すことにより、一人ひとりの子どもに時間のスイッチを切り替える習慣をつけさせることが大切です。
(2)
場所の切り替えスイッチ
 職員室に来た子どもが「○○先生いるぅ?」ではいけません。担任と子どもにとって教室は「家庭」と同じですが、一歩教室を出れば「社会」と同じです。職員室は公共の場なのです。場所を考えた行動ができるように教えることが必要なのです。
(3)
場合の切り替えスイッチ
 担任に忘れ物をして報告するときに「○○忘れちゃった」ではなく「○○を持ってくるのを忘れてしまいました」ときちんと「ていねい語」で報告させます。
 子どもに何ができていないのかをしっかり見極めて指導します。
 たとえば、休み時間と授業時間の区別ができていないのであれば「今は何の時間?」と、問いかけます。同じことを繰り返すときには「ん?今は」だけで気がつくようになります。
 また、「ていねい語」がわからないときは「そうですか。忘れましたか」と、教師がまずていねいな言葉で話し、見本を示します。
 どのように話せばいいかを聞いてきたら、このときが指導の絶好のタイミングです。必要と感じ、すすんで学んだことは、その子どもの確かな力となります。
有村久春:1948年生まれ、元東京都公立学校教師、小学校長、岐阜大学教授を経て帝京科学大学教授。専門は生徒指導論、カウンセリング、特別活動論

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