反抗期の子どもは、大人の対応しだいで反抗の激しさは変化する
思春期の子どもは自分に何がおこっているのかわからないのです。自分の土台が揺れて、親に押さえ込まれてしまうと、自分が壊れてしまうと感じるのです。親は一歩離れて見守るしかありません。
反抗期に入った子どもの攻撃的な言動に対し、親がどんな対応をしているかが重要です。反抗期の子どもは、親の気持ちを激しく揺さぶり、傷つける言動をします。
多くの親が、反抗期の子どもを前に、カッーとなって自分が親であることを忘れてしまうようです。親はイライラした反応をしてしまいやすいのです。
「死ね、クソババア」と言われ、「腹が立ったので子どもを蹴った」「大ゲンカになってしまった」「出ていけ!と叫んだら、家を出てしまった」などです。子どもの攻撃を力で押さえつけるとさらに激しくなる。
子どもがどのような反抗をするかは、親の対応や親子の関係性の中で決まってきます。親の言動で子どもの反抗は激しくなったり、長引いたり、穏やかなまま短期間で終わったりするのです。
子どもが反抗してきても、「プロの親」として一歩引いて「あぁ、この子には今これが必要だから、こんなふうになっているんだなぁ」と見守ること。これができないと、子どもの反抗は激しくなるのです。
思春期の子どもは基本的にはイライラしているものです。子どもと話すときには、口調や態度が大切です。親もつい、そのイライラに巻き込まれてケンカ腰の強い口調になってしいがちです。
ここで親が「一歩引いて」自分の気持ちをコントロールし、穏やかな態度、口調で接すると、子どもの反応もずいぶん穏やかになってくるのです。
ガミガミと口うるさい母親と、厳しすぎるガンコな父親に育てられれば、たいていの子どもは激しく反抗せざるを得なくなってしまいます。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)
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