子どもに何かあったときだけ家庭に連絡するのでは話にならない、ふだんから家庭に知らせるようにする
学級を崩させないためには、問題傾向を持つ生徒には、日頃から一定のルール(生活の決まりや常識)からはずれた行動を取らないように注意を向け、ルール違反をした場合は、その都度指導することになる。
もし、これを見逃しているようでは、ルール違反の仲間が増え、学級全体の秩序維持が日に日に難しくなっていくのである。
だから見逃さずに注意し指導する。その積み重ねが欠かせない。そして、行為の内容によっては家庭にも連絡して、指導の協力を依頼することが大切になる。
その場合に、何かあったときだけ家庭に連絡するのでは話にならないのである。ふだんの生活で少しでも良いところが見て取れたら、電話でもよいので、それを自然な形で伝えていくことが必要である。
それは保護者をどれほど喜ばせるか図り知れないものがある。そうした連絡を受けている中でのことなら、保護者は厳しい問題点の指摘も受け入れるし、それに対する指導の協力も受け入れてもらえるものだ。
子どもの良さを見つけるには、性善説に立ち、日頃から子どもと交流し、生活を観察していれば、何らかの良さを見いだせるものだ。先入観にとらわれないように注意しながら、日々新たな目で、かつ好意的な眼差しを持って子どもを見ていくのである。
すると、きっとその子なりの良さが見えてくるはずだ。その良さはタイミングを見て自然な形で保護者に伝えていくことが、生徒指導にとってどれだけ重要であるかは、実践してみればわかることである。私の経験からいって、どれ一つとして好結果につながらなかったものはないと記憶している。
(大阪隆夫:1941年生まれ、横浜市立中学校四校に勤務した。「生き方を探求する会」会長として道徳教育を研究。シュタイナー教育を研究し各種学習会等で講義。ネット上の教育相談室で相談員)
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