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ロンドンの小学校は学校別成績番付で順位によって学校の浮き沈みが決まる

 近年、ロンドンの小学校が学校別成績番付(リーグ・テーブル)によって、強いプレッシャーのもとにおかれている。学校は、学校別成績番付(リーグ・テーブル)の順位によって、その浮き沈みが決まってしまうからだ。
 学校別成績番付(リーグ・テーブル)に示される各学校の実績は、在校生の社会階層構成の実態に密接に関係している。
 教育熱心な親たちは、成績のよい学校の通学区に引っ越したり、よい教会立学校(公立学校よりすぐれている)の入学許可を得るために礼拝に出席したりする。
 反対に、人気のない学校はしばしば定員割れを生じ、その結果、ほかの学校から締め出された子どもたちや、国外や国内他地域から越してきたばかりの子どもたちを受け入れることになる。そして、そうした子どもたちは、多くの場合、通常以上にさまざまな支援の必要性を抱かえているのだ。
 つまり、学校の悪評と定員割れとが、人間関係上・行動上の問題を抱かえる子どもたちを多く引き受けざるを得ないという結果をもたらすわけで、学校は容易に悪循環に陥る。
 学校の評判に、なにより響く、学校別成績番付(リーグ・テーブル)の順位はさらに下降し、心配する親たちの不信感を倍加させ、それはまた職員の募集や勤続確保をも妨げて、ひいては監査官たちの注意を惹きつけることになる、というわけだ。
 小学校に新たに重要な施策として、リテラシー・アワー(読み書き集中練習時間)やニューメラシー・アワー(計算集中練習時間)が導入された。これらは、11歳時の英語と算数の全国一斉学力テスト(ナショナル・テスト)に向けた準備をなにより優先するという方向にさせるものだ。
 それぞれの学級で自発的な活動をしたり、自分の興味関心にしたがって仕事を深めていくなどといった教師の自由はほとんどもう過去の話で、今では指示的で詳細きわまる全国共通教育課程によって、教室で子どもたちの学習する事柄は、細部まで規定されている。
 教育水準監査院の監査の結果、問題校を特別措置()のもとに置く手段は、その学校への支援を強化し、問題の処理に努力を焦点化させるためだ、という。
 しかし、現場では、失敗校と公に名指しされ、先生や生徒を集めるのにも困ることになり、よりいっそうの下降スパイラルの途をたどる、といったことになりがちだ。
(ウェンディ・ウォラス:教育ジャーナリスト 教育問題記者として「タイムズ教育週報」特集主任記者を5年にわたり務める 英国内の新聞、雑誌などへの寄稿多数)
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)特別措置:学校を失敗校として、監督のもとにおかれ、学校改善の策定を求められる。二年以内に改善がみられない場合、閉校を命じるか、フレッシュ・スタートの措置がとられ、学校名を変更し教職員を一新させる。

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