教師が気をつけなければいけないのは「ほめる」と「おだてる」を区別すること
教師が気をつけなければならないことがあります。それは「ほめる」ことと「おだてる」ことをしっかりと区別しなければならないことです。
その子のよさを見極めたうえで、それを認めてあげると、子どもたちは心からの喜びを感じ、先生への信頼度を高めます。それが「ほめる」ということです。
しかし、何でもかんでも「すばらしい」などと口先だけで言うことは、子どもたちを慢心させ、謙虚さを奪う結果にもなりかねません。
また、子どもというのは先生の気持ちを敏感に見ぬきますから、先生への信頼がかえって損なわれかねません。「おだてる」ことは、百害あって一益なしだと思います。
ですから、ほめるというのは、そんなに簡単なことではありません。常に子どもたちに目を配るとともに、一人ひとりの思考や行動の中に表れるその子のよさを見ぬいていくことが求められます。
そして、そうした姿勢と力が鍛えられているということこそが、教師の専門性であると思っています。
(白井達夫:1950 年生まれ、川崎市立小学校教師、横浜国立大学附属小学校副校長、川崎市総合教育センター教科教育研究室長、川崎市立小学校校長を経て、横浜国立大学教育デザインセンター主任研究員)
| 固定リンク
「叱る・ほめる・しつける」カテゴリの記事
- 「ほめる・叱る」にはコツがある 伊藤友宣(2021.10.27)
- 子どものやる気を引き出す叱り方をするには、どうすればよいか 東ちひろ(2021.05.29)
- 教師は包容力を大きくし人間を練っておかないと叱るときに過ちを犯す 関根正明(2021.05.18)
- 叱っても人がついてくる、叱り方の極意とは 福田 健(2021.04.27)
- いつもは優しいが怒るとこわい先生が子どもにとって頼もしい存在である 池野正晴(2021.04.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント