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異装をしてきた生徒の指導はどうすればよいか

異装してきた生徒の指導は、およそ次の3種類に分かれる。
(1)
直すまで、たとえ隔離しても教室には入れない。
 異装は他人の生活に害を与えたりするものではないので、何が何でも直させるというのは基本的には無理な指導方法である。おそらく、異装が広がることを恐れるのだろうが「急がば回れ」ではないだろうか。
(2)
認めないが、教室には入れて、通常の生活の中で直させる。
(3)
ほとんど本人の判断にまかせる。
 私は、この三つの学校すべてに勤めたが、たとえどの方針であろうと、本人が最終的にその気にならなければ絶対にやめないというのが、この異装問題である。
 「たかが服装」と教師が考えても、その生徒自身には生き方に関わるほどの大問題なのだから、その生き方を問わなければ、生徒は一時的に従ってもまた異装をしてくるだろうし、さまざまな工夫をして異装をしてくる。
 「直せ、直せ!」と叱っても、「校則で禁止している」などとせまっても、本人は百も承知で異装をしているわけだから無理な話だ。
 だから、指導するには、まずは理由を聞く。
「かっこいいんだよ」
「なるほどね。でも、みんなはそうは思っていないよ。この服装の“意味”も知っているしね」
「この服で自分を目立たせたいという気持ちはわかるけど、君はもっとまともなことで自分を光らすことができていたじゃないか。残念だな」
「合唱コンクールじゃ、君がいたから君のパートはすごかったね」
 こんな会話をすると、やがて必ず返ってくる言葉が「オレには良いところなんてないよ」とか「そんなこと大したことじゃないよ」という、自分自身に否定的な言葉である。この否定的な言葉が返ってくるまでに、かなりの時間のやりとりがまずある。
 しかし、これはもうすでに教師側の作戦に乗ったことになる。なぜなら、否定的な自分、ダメな自分、光るものがない自分に気づき、目立たそうとしている自分がいて、そのジレンマに悩んでいるからだ。だから、手っ取り早く服装で目立とうとしているのだ。
 今度は、ここぞとばかりにほめるのが良い。放課後に呼んで、とってつけたようにほめずに、何か良いことをしたら、すぐその場で「えらい! よくそこまでがまんをしたな。ふつうはできないな!」などと、どんな小さなことでも少しオーバーにほめてあげる。
 ただし、ふだんから誰に対しても良いことをしたら、ほめる教師でないといけない。そうでないと、しらじらしく聞こえて効果はない。
(吉田 順:1950年生まれ、34年間横浜市立小・中学校教師。「生徒指導」ネットワーク主宰)

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