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一学期の間は交流や共同作業で学級作りをする

 学級内では、しばらくすると何となく気の合いそうな三、四人とグループをつくり、行動をともにします(4月)。
 少しずつグループ意識が芽生え、グループ内のメンバーだけの秘密持ったり、共通の敵を持ったりして、グループが対立しあうようになります。
 この状態が長く続くと、学級集団はヒソヒソ話や陰口が横行し、学級が分裂したようになり、学級活動などに支障をきたすようになります。
 そこで、担任の対応の骨子は、グループにしがみつかなくても、学級内に安心していられるような子ども同士の人間関係が形成されるように援助することです。
 グループのメンバー同士が、本音で交流できるような取り組みを、意識して展開することが求められます。本音で交流できるようになれば、グループの結束を固めるための共通の敵をもつ必要がなくなり、グループ同士の対立が収まってくるのです。
 具体的には、グループ単位でレクリエーション的な活動をするようにします。小・中・高校に合ったゲーム集などを参考にするといいでしょう。
 並行して、学級の仲間を紹介しあい、かかわるきっかけ作りの取り組みをします。この二つを同時にできる構成的グループエンカウンターの事例集が販売されていますので小・中・高校の自分の学級に合わせて利用できるととても効果的です。
 つぎに、席が近い子ども同士を、授業などで共同作業をさせたり、文章の読み合い、感想の話しあいなどをさせたりします。係り活動や日直の仕事を一緒に取り組ませるのもいいでしょう。二人ペアにして、かかわりをもたせていくのです。多くの時間をかけてかかわると、親近感が増し、人間関係が形成しやすくなります。
 このような取り組みを、二ヶ月くらい継続し、ペアを三人になるまで続けます。学級内で親近感が持てる相手が二、三人いれば、不安のため子どもたちが、非建設的なグループを作り、対立しあうこともかなり防止できると思います。
 この取り組みの後、六月ころに、四人組のグループをつくり、同様の活動を継続して取り組ませます。
 このような取り組みは、学級内の対人交流を活性化させ、学級集団の育成上とても重要になります。今日では、小学校や中学校だけでなく、高校にも必要になってきたと思います。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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