親が「子どものために自分は犠牲になっている」という思いにとらわれると不幸である、どうすれば楽しい子育てになるか
親が「子どものために自分は犠牲になっている」という思いにとらわれると、親子にとって不幸である。
「子どもが全然かわいく思えない」「子どもが泣き出すとイライラする」という親の相談も多い。
放任・虐待型の親は、じつは子どものころ、放任され虐待されて育ったケースが非常に多い。加えて、自己中心的でわがままな親が増えているので、子育て放棄の件数はうなぎのぼりである。
テレビに子守を任せるようでは子どもも不幸であるし、それでは親も子育ての醍醐味は味わえない。
放任されて育った子どもは、孤立感でいっぱいである。喜怒哀楽がないか、自制のきかない暴発型になる。
逆に過保護に育てられた子どもは、母親にたより自分で考えることができないほど、ひ弱な子どもになる。
親が「私はこれだけのことをしているのに子どもは応えてくれない」というふうに、子どもが「してくれない」ことばかりを考えていると、出口が見えなくなってしまう。
親が「報われなくてもいい。子どもの幸せだけを願う」とか「こういうこともあるさ」、こんなふうに思えたら、肩の力が抜ける。
親は小さいころ、どんなことに興味があって、何にワクワクしていたのかを思い出してほしい。それを子どもと共有できれば、それほど楽しい子育てはないだろう。
親が童心に返って、わが子と一緒に子ども時代を楽しもう。時間を忘れるほどおもしろいことである。
親が子どもに対する愛情だけを絶やさずにいたら大丈夫だ。「大好きだよ」としっかりと親が本気で子どもを抱きしめてやれば、子どもの心は必ず開く。
(濤(なみ)川栄太:1943-2009年、20年間の小学校教師を経て、ニッポン放送「テレホン人生相談」回答者、40年間つとめる教育相談では、悩める子どもたちに体当たりで励まし立ち直らせた。元新松下村塾長)
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