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教師の喜びって何でしょうか

 教師の喜びって何でしょうか。
 何人かの教師に聞いてみると、様々な回答が得られました。例えば、授業中に「わかった! できた!」と言って子どもたちが大喜びしたときだと答える教師、また、これまで問題児と言われていた子どもが、ある日、友人たちに優しい行動をとっている姿を見たときと言う教師など、やはり子どもの「変容」や「成長」がキーワードであるようです。
 教師は子どもとともに歩むという職種だけに、学習面や生活面でいい影響を与え、それを契機に子どもが成長してくれれば、それこそが教師にとっての達成感であり、成就感なのです。
 しかし、いじめ、非行などの苦しい現実があり、そのたびにパッシングを受ける教師たちは、なかなか達成感や成就感を得られず、教師の喜びも忘れてしまっているのです。
 指導力不足とレッテルを貼られてしまった教師も、若い頃は熱意を持って指導していたはずです。しかし、教師の喜びや笑顔を忘れてしまったとき、子どもたちと乖離してしまったのです。
 確かに苦しい仕事です。それでも笑いましょう。笑いながら、子どもたちに喜びを与えましょう。そうすれば、教師自身も大きな喜びを感じられるのです。
 私の初任地であった中学校に講演の講師として呼ばれたときに、久しぶりに教え子に会いました。控室に、あいさつに訪れてくれたのです。熱意だけで突っ走った新任教師とおてんば女子中学生との会話が時を超え、あの時代の恥ずかしい失敗や苦い思い出も、笑顔に消されていきます。
 別れ際に、ふと自分の予想をはるかに超えた子どもたちの成長を見たとき、これこそが教師の喜びなのだと感じたのです。だからこそ、教師はやめられないのです。
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阪根健二 1954年神戸生まれ、香川県公立中学校教師、指導主事、教頭、香川大学助教授を経て鳴門教育大学教授。専門は学校危機管理,生徒指導)

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