生徒がよく言うことをきく、指導力のある教師の特徴とは
生徒がよく言うことをきく、ある一人の先生を観察していると、つぎのような特徴が見られた。
(1)生徒との距離がハッキリしている
生徒に対してクールな関係をとることができる。他の教師のように物わかりよく、ベタベタつきあうことをしない。
それでいて、時と場合によって、とっても生徒にやさしく対応できる。言葉づかいや、顔つきが、その時、その時で変られるのである。
(2)生徒に対して誠実である
約束したことは必ず守るし、生徒のために一生懸命やるから、生徒からとても頼りにされている。生徒たちはその先生を信用し、信頼している。
(3)集団を指導できる
生徒会や行事の指導だけでなく、野球部の顧問として、生徒たちの絶大な信頼をかちえている。その先生の指導に従ってがんばるといい結果がでるのである。
(4)生徒を差別しない。
(5)全身で怒ることができる
ただ叱るというのではなく、体中で相手に怒りをぶつけることができ、生徒はその怒りに恐れを感じることがあるようだ。
(6)生徒を一人前の人間として扱う
生徒が自分で決め、自分で責任をとらせるようにしている。
(7)不気味な、子どもにはわからない大人の世界がある
最大の点は、不気味な(生徒の前にすべてを見せておらず、何をするかわからない、何を考えているかわからないこわさがある)ところがある、ということである。
これがこの先生が他の教師と決定的に違う点である。つまり、子どもに対して大人であるということである。子どもにはわからない大人の世界がある、ということである。
みんな平等、という世の中で、子どもの位置までおりてきてしまったり、もともと大人にはなりきれない教師たちが多いなかで、子どもとはまったく違う何かを持つ、ということなのである。
このような先生は、もうほとんどいなくなってしまったが、生徒たちがピリッとするのである。このような教師がいないと、学校が維持できなくなっていることは確かである。
(河上亮一:1943年東京都生まれ、埼玉県公立中学校教諭、教育改革国民会議委員、日本教育大学院教授を経て、埼玉県鶴ケ島市教育委員会教育長、プロ教師の会主宰)
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