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教師の仕事は自分の人間性を生徒にぶつけること

 私は自分の自由な時間や土日もすべて教師の仕事につぎ込みました。その結果、教師という職業の特性について、おぼろげながら見えてきたことがありました。
 それはつまり、「教師の仕事というのは自分の人間性を生徒にぶつけること」だということです。
 一生懸命な思いは、プリントや授業を通じて子どもたちに必ず伝わります。教師が教師としての自分を磨いていけば、その姿は必ず子どもたちの胸に届きます。生徒たちが喜んで勉強している様子から、そんなことを感じました。これは教師のみならず、教える人すべてに当てはまるのです。
 私は教育学者でもなく、単なる国語教師です。ですから、教育理念を考え、それを実現するために授業を行ったのではなく「はじめに行動ありき」で、自分のやりたいことをやりたいようにやってきたにすぎません。それが私の幸福観です。
 ただし、「やりたいことをする」ことと、「やりたい放題やる」ことはまったく違うことでしょう。やりたいことをするためには、人として忘れてはいけないことがあります。
「まずは、相手の身になって考えて行動する」
「これを言ってもいいか。これをしてもいいか。それによって相手はどう感じるだろうか。そういうことを一瞬でもいいから考える」
 これは私が生徒たちに必ず言ってきた言葉です。この気持ちを忘れてしまうと、人間はとても傲慢な生き物になり下がってしまうからです。
「やりたいこと」の質が問われている、今はそういう時代かもしれません。
(
橋本 武:19122013年、元灘高等学校教頭。旧制灘中学校に国語教師として赴任後同校で50年間教えた。伝説の灘校国語教師として2009NHKで放送された。2010年にベストセラーとなる。国語「『銀の匙』授業」で知られる)

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