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マスコミとのつきあい方

 学校と記者が感情的に対立しないための人間関係づくりについて考えてみましょう。
 記者はある程度推測できることでも住民感情から「どうしてですか」「なぜですか」とあえて聞いてきます。学校は記者に詰問されたように思い「それぐらいわかりませんか」などと教師が回答すると、お互いの人間関係がまずくなってしまいます。対立している場合、人間は理解しようと努力はしないものです。
 学校側は、当たり前に思えることでも誰にでもわかるように説明することが肝要なのです。
 例えば、いじめ事件で「なぜ、いじめをなくせないのか」「先生は何をしていたのか」と記者が感情でぶつかってきたとします。この場合、それは当然の問いとして受け止める意識がものすごく大切なのです。
 教師は、このように問い詰められたりする経験が少なく、けんか腰の場合、黙りこくってしまうことがあります。ここでは、しっかりと受け止め、それについてきちんと説明することが求められます。
 もちろん、取材を受ける学校側が感情に訴えても逆効果です。昔、不祥事の取材で社長が「僕は寝ていないだ」と苛立ちをぶつけると、記者たちも「冗談じゃない、みんな寝てないんだ!」と、くってかかったのです。つまり「私の身にもなって」という言葉は通用しないのです。
 同様に、授業以外に教師は膨大な仕事があることは、教師以外の人にはなかなかわかってもらいにくいものです。「こういうことを、このようにやっています」と具体的な説明が不足していると教師は頑張っていると受け取ってもらえないのです。
 教育関係者が、意を尽くしたいと、何十枚もの書類をメディアに渡す傾向があります。無駄な努力です。彼らは時間がないから読めないのです。情報提供のコツとしてA4判1枚くらいでいいのです。簡潔に伝わるものであることが重要なのです。必要であれば、記者が電話などで尋ねてきます。
 学校がプラス面で報道してほしてときは、記者がぜひ取材してみたいと思うように、A4用紙1枚に概要を書いたものでいい。
 「あの学校はすぐ報道を使う」という声を聞くことがあります。メディアに情報提供するぐらいの意識があるということは、説明責任を果たすという姿勢の表れですし、保護者や地域の理解を得るための最も効果的な手法のひとつです。新聞やテレビを見て「学校はこんなにやってくれている」と、大きな意味があります。
 報道されやすい時期があります。8月の終わりとか2月あたりは書く記事が少なくなります。逆に、大きなニュースがある時期には、学校の行事関連の取材は難しいのです。どんないい学校行事をしても掲載されません。
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阪根健二 1954年神戸生まれ、香川県公立中学校教師、指導主事、教頭、香川大学助教授を経て鳴門教育大学教授。専門は学校危機管理,生徒指導)


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