元気のない親の子どもは悪くなり、元気のない担任のクラスは崩壊していく
問題を抱かえた子どもを持った親の99%は元気がない。そうすると状況はより深刻な方向にしか進まない。
苦しいとき、本当に苦しそうな顔をしてうつむいていたら、ますます苦しくなる。これは真理だと思う。
親が人生に希望を見出さなくて、どうして子どもが希望を見出せるだろうか。
だから元気のない家庭の子どもはどんどん悪くなるし、元気のない担任のクラスはどんどん崩壊していく。これまで嫌というほどそれを見てきた。
私は、いつも標語のように「苦しいときこそハイテンション」と、ぶちあげている。
子どもが道に迷って苦しんでいるとき、子どもは負の状態にいる。親が負の状態で向き合えば、磁石と同じように強く反発するだけだ。子どもはつらい、母親もつらいと両方が負で向き合ったら、どんどん離れていく。負には正の状態で向き合えばいい。つまりそれが元気だ。負の財産があるなら、余計に元気にならなくてはいけないと私は信じているからだ。
子どもは、自分の人生がどうなっていくのかわからず大きな不安の中にいるのだから、親にできるのはせめて元気であることだろう。カラ元気でニコニコするだけでもいい。親がまず元気を取り戻すことだ。親が元気に子どもと向き合っている家庭は、苦しんでも持ちこたえられる。
問題が起こったときこそ、自分の子と本質的にわかりあえるチャンスだ。その前向きさが、元気を呼び込む。自分をリフレッシュして元気を出せる方法くらい、自分で見つけておくのも大人の責任だろう。
もし、会話が通じなくなっているならイベントという方法もある。たとえば子どもの誕生日には飾り付けまでして、子どもが夜遊びから帰ったら「おめでとう。生まれてきてくれてありがとう!」と声をかける。顔ではぶぜんとしていても、うれしくない子どもはいないだろう。
お父さん、お母さんが元気を出そう! 子どものために! 苦しいときこそハイテンション! です。
(義家弘介:1971年生まれ、中学生で不良と呼ばれ高校中退し家から絶縁される。里親の元で大学を卒業し、塾講師、北星学園余市高校の教師になりドラマ化され評判となる。横浜市教育委員、教育再生会議担当室長を経て国会議員)
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