誰でもほめられるとうれしいもの、ほめることで子どもと親に自信を持ってもらう
子どもはほめられるとそれが自信になり、自尊感情が育っていきます。
自分のことが好きになった子は、瞳が輝きます。友だちに優しくなり、協力する子になります。そして未来の自分をみつめ、がんばる子になっていきます。
ほめるときに、大事なのは「教師自身が『感動したこと』をほめる」のが一番いいでしょう。感動した具体的なことを話します。そんな教師の話は、子どもに必ず通じていくものです。
その場ですぐにほめるのが基本です。
そして、そのあとにみんなの前で紹介してあげましょう。さらりとホメましょう。あまりひつこいと、かえって周りの子の反発を買うこともあります。
そのあと、連絡帳にひとこと書いておきましょう。連絡帳に書く時間がないときは、一分間ほどの短い電話をかけるものいいでしょう。
例えば「今日ね、○○さんが・・・・・なことをしてくれたんです。とってもうれしかったので、つい電話をしてしまいました。いい子に育っていますね」学校からはいいことで電話はあまりないものです。だからこそ、こういう知らせはうれしいものです。
ほめる手段はいろいろありますが、文字にして学級通信でもほめます。さらにその子の自信になっていきます。
個人懇談会で「ほめる」ことを言えば、保護者も「懇談会に行きたいなあ」という気持ちになります。具体的なことを言うのと、親の育て方をほめるのがポイントです。
私は通知票の所見欄に、その子のいいところのみを書くようにしていました。
私が「ほめる」なかで、最も重視するは、日常に行う5分間家庭訪問です。クラスのなかで一番悪いしんどい子が「学校好き、友だち好き、自分好き」と言えるようにしてやるためには、家庭訪問が一番いい方法だと思っています。
その子が立ち直っていくためには、その子どもと親に自信をつけさせてやることです。直接、保護者と顔を合わせて話ができる家庭訪問が一番です。
「お母さん、急にすみません。運動場でケガをした子を保健室に運んでくれたんですよ。その姿に、私、感動したんです。いいやつですね。ただそれだけを伝えたくて突然おじゃましました。では失礼します」このように玄関先のたった5分間の家庭訪問です。
帰り道、その子の家に立ち寄り、学校でいいことを伝えてすぐにかえります。親もうれしいし、子どももうれしい。そんな温かな贈り物を持っていくのです。やがて、子どもにも親にも笑顔と自信が戻ってきます。
(仲島正教 1956年生まれ 兵庫県公立小学校教師21年、指導主事5年、48歳で退職。2005年より教育サポーターとして、若手教師対象にセミナーを開いている。若手教師パワーアップセミナー「元気が一番」塾主宰)
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